アスペルガーの遺伝の確率とは?
ここでは、「アスペルガーの遺伝の確率」についてお話します。
アスペルガー症候群は遺伝する?
アスペルガー症候群が遺伝するか否かは、
長い間議論され、たくさんの研究がされてきました。
その結果、アスペルガー症候群の発症には
遺伝的要素も関係していると結論付けられています。
しかし、100%遺伝するものではありませんし、
親近者にアスペルガー症候群の人がいない場合でも、
発症することがあります。
もちろん親が発達障害であれば、
子どもも発達障害になる確率は高くなります。
脳の機能発達に異常があるとされている
アスペルガー症候群は遺伝的要素と
環境要因が複雑に絡み合って発症するのです。
つまり、1つの遺伝子の変異が
親から子へ伝わったからと言って、
リスクが上がるだけでアスペルガー症候群に
ならない人もたくさんいます。
アスペルガー症候群や自閉症の遺伝確率を
研究した報告によると、その発症率は
1卵生双生児で60〜70%一致し、
2卵生双生児で30〜40%と、
遺伝子が全く同一の一卵性双生児では
リスクが2倍になるとされています。
つまり、確実にアスペルガー症候群の発症に
遺伝子の変異は関係しているのです。
アスペルガー症候群と遺伝子
アスペルガー症候群を発症する原因になる遺伝子は
未だはっきりした答えが出ていません。
ただし、アスペルガー症候群に
遺伝要因があることは明らかで、
兄弟にアスペルガー症候群の人がいれば、
本人や障害を持った人の子供が発症する
確率は一般と比べて高くなります。
つまり、アスペルガー症候群は
遺伝することもあるのです。
一方、父親または母親が高齢であったり、
妊娠中に起きたトラブルで胎児の遺伝子が
傷つくことがあります(突然変異)。
その傷ついた遺伝子がたまたま
アスペルガー症候群の発症の引き金に
なるような遺伝子の場合、
その子の発症リスクは格段に
跳ね上がることになるのです。
親子間での遺伝だけでなく、
この突然変異も遺伝子が関わっていることになるため、
アスペルガー症候群に関する脆弱遺伝子が
存在する可能性が研究されています。
この遺伝子の特定は未だ研究中ですが、
いつか原因遺伝子が発見されれば
治療方法が開発される日も来るでしょう。